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SAYURI
SAYURIkousiki.jpg
SAYURI公式ホームページより拝借
日本が嫉妬するチャン・ツィー

製作総指揮は言わずと知れたスティーブン・スピルバーグです。監督はロブ・マーシャル。そう、あの「シカゴ」の監督ですね。ロブ・マーシャルはシカゴに引き続き、女の暗い裏の世界を上手く描き出しています。実はこの作品、原作がありまして、1997年出版、アーサー・ゴールデン著作“Memories of a Geisha”です。

映画冒頭はブルーの瞳を持った水の気の多い少女時代の貧しく華やかな世界とはかけ離れたSAYURIの話ですが、SAYURI役の大後寿々花(おおごすずか)が可愛らしいですね。幼さの中に強かさの見えるSAYURI役を好演していました。後に役を引き継ぐチャン・ツィーに負けない美しさと強かさを見せています。

SAYURIは貧乏な両親に売られ、おかあさん役を演じる桃井かおりの置屋にやってきます。置屋を支える稼ぎ手の芸者、コン・リー演じる初桃の下働きに身を徹します。コン・リーも綺麗でしたね。初桃はSAYURIの美しさをねたみ様々な嫌がらせをしますね。初桃はどこか怠惰な、SAYURIよりもむしろ芸者の現実を見せられたような役どころでしたね。女としても芸者としても生きたい哀れな女を上手く演じていました。二兎を追うものは一兎も得ずとはこのことではないでしょうか。しかし、そこは求めずにはいられないもので、それが人間というものなのですね。
置屋でSAYURIと共に下働きをしていたおカボと共にSAYURIは成長していきます。いろいろと騒ぎを起こすSAYURIとは違い、おカボは芸者への道を進んでいきます。

後半はSAYURI役をチャン・ツィーが引き継ぎ、おカボ役は工藤夕貴が演じています。この二人の関係もまた見所です。
成長したSAYURIを芸者へと磨く豆葉役にミシェル・ヨー。とっても美しい“おねえさん”でした。会長様の親友であり、SAYURIを愛す延さん役に役所広司。この役所広司演じる延さんが、また魅力的な役どころです。芸者嫌いの延さんは唯一SAYURIに恋をします。その恋は、いつも冷静な延さんを段々独占欲の愛へと導きます。その抑えきれない感情の波を役所広司が本当に巧みに演じています。これは見事としか言いようがありません。
決してでしゃばらず、しかし激しい胸のうちを映画に沿え、脇を固める役所広司の演技は素晴らしかったです。

そんなSAYURIの少女期に、会長様として登場するのが渡辺謙でした。そこでSAYURIは幼いながら恋をするのですね。

何千もの鳥居をくぐり会長様に近づけるような芸者になりたいと願います。このシーンは映画後半にも姿を見せるのですが、とても効果的なシーンでした。幼いSAYURIが、幼い恋心を抱き、幼く無謀な願いをする。曲がりくねった何千の鳥居は、映画終盤に、長い芸者人生をSAYURIがただひたすらかけて行く、まさにSAYURIの瞳を象徴するような川を流れる水のようにも見えます。
SAYURIは水のように強かに流れて生きてきたことを最も感じる良い場面です。

この映画に特徴なのは、だれも本名を映画内で語られない所でしょう。
そんな所に、私は裏を見せない芸者の、華やかな裏側の人生は、誰にでもあるように感じるのですね。
SAYURIにも会長様にもひた隠してきた想いがあるように、この映画に出てくる全ての人々の人生が全て見えるわけではない。
それは私たち観客にとっても同じことですね。表のSAYURIという名前で世界を強かに歩いていかなければならないのですよ、って、そういわれている様に映画を見た後で思ったりしましたね。

いい映画です。強かな女の映画です。綺麗な映像と共にお楽しみください。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画




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